即時償却をすれば、多額の減価償却費を計上できます。これを特別損失として計上すれば、銀行や格付会社が気にする営業利益や経常利益を減らさずに、税引前利益を抑えることができます。本業で利益が出ていれば、法人税を払うことなく、キャッシュが残ります。

 今期は業績がよくても、将来、業績が悪くなるかもしれません。それなら、いまのうちに、損金として落とせるものは落としておいたほうが、よいと思いませんか?

 たとえ、キャッシュの支払がなかったとしても、業績が悪いときに、減価償却費を計上すると、営業利益、経常利益が少なくなります。

即時償却は
どの設備で使えるのか

 即時償却が使える設備は、基本的には、生産、あるいは、販売に関係している必要があります。

 例えば、製造業の工場、小売業の店舗、自動車整備業の作業場などがあげられます。そしてアイテムでいえば、次のものが対象になります。

・機械装置
・工具
・器具備品
・建物附属設備(電気、給排水、ガス、冷暖房設備など)
・ソフトウェア(システムなど)

 製造、販売に関係するアイテムであれば、即時償却の対象になります。ただし、残念ながら、「建物」は、対象外です。

 また、本社、宿舎、福利厚生施設に関する投資や、事務用器具備品は対象外です。これらは、生産や販売に直接関係がないからです。

 では、即時償却の対象となるアイテムのさらに詳しい条件を見ていきましょう。