格闘ゲームでも、生まれつきのセンスがいい人が存在します。例えば、何となく相手が動きそうな場所をとらえて、そこにカウンターを打ち込める。「当て勘」と呼ばれる能力です。この「当て勘」でさえ、しっかり分析すれば言語化することは可能です。

・自分が先手で攻撃することでリズムができ、相手の攻撃が「いつ出るか」をコントロールしている
・予想外の行動やタイミングで技を仕掛けることで、相手の「癖」を引き出している
・うまく距離をとることで相手を引き込み、向かってきたところに「カウンター」を当てている

 外見上は同じような技の決まり方に見えても、それぞれの道筋や考え方が異なっていることはよくあります。これらを全て「当たると思ったから」で処理してしまうと、その先の成長がありません。

言語化は、他人の技の分析にも使える

 この言語化スキル=自分への理解は、そのまま他人への理解にもつながります。自分と照らし合わせることで、他人の意図や方法を推測する能力が上がるからです。

 例えば動きが遅いと思っていたキャラを使う相手から、信じられないほど速い攻撃を受けたとき。僕は感じたことを言葉にしていきます。

・どうしてこんなことができるんだろう?
・自分ならこうするのになぜあのやり方なんだろう?
・速く感じるのは手数が多いから?  動き回っているから?  タイミングが良いから?
・そもそもスピードとは何なのか?
・物理的な速さには限界があるのではないか?
・相手の意識の外から決める方法はないのか?
・自分だけではなく相手からも来させることで、間合いを詰めるスピードを上げられるのではないか?

 こうして検証することで、自他に差がなくなっていく。そして「すごい」で終わっていた他人の経験や知見を取り入れることができるようになるのです。