まず思いつくのは既存のパイを同業他社から奪い、シェアを高める方法。しかし、同業他社も必死なので、思うようにシェアを奪えない可能性が高いです。しかも、それができたとしても膨大な時間を費やすことになります。
2社の戦略はどこが「違う」のか?
手っとり早くシェアを奪う方法は、同業他社を丸ごと飲み込むM&Aです。下記のイメージ画像を見てください。
これをいち早く実行したのが博報堂です。2003年に同業の広告代理店である大広および読売広告社との経営統合で博報堂DYホールディングスを誕生させ、シェアを拡大させました。
さらに別の戦略として、海外に活路を見出す方法もあります。これを実行したのが電通です。
長らく自前主義をとっていた電通ですが、2013年に英国の大手広告代理店イージス・グループを巨額の資金を投じて買収しました。それまでの電通は、売上の8割を国内で稼いでいましたが、世界80か国に拠点を持つイージスを買収することで海外売上高比率を高めることに成功しました。
イージスは、経済成長が見込める新興国にも拠点を持つため、鈍化する国内市場をカバーすることに貢献するでしょう。
国内と海外の売上高の推移をまとめました。下記の画像を見てください。
電通は着実に海外売上を伸ばしています。これに対して博報堂DYホールディングスは、海外はまだまだ手薄な状態です。
さらに別の戦略もあります。それは、マス4媒体に代わって台頭するインターネット広告を攻略することです。
生活者の目が、テレビや新聞などのマスメディアからインターネットの世界に移れば、当然、インターネットの広告価値が上がります。