一流の特長は「チーム・ファースト」
ビルが最も嫌ったのは、学ぶことをやめた人たちだ。質問するより答えるほうが多い? そいつは赤信号だ!
ビルは貢献意欲、それも個人的な成功だけでなく組織の大義に貢献する意欲を持っている人を求めた。チーム・ファーストだ!
グーグルCEOのスンダー・ピチャイも言うように、「自分の成功が他人との協力関係にかかっていることを理解している人、ギブアンドテイクを理解している人、つまり会社を第一に考える人」を探す必要がある。
スンダーとビルは、そういう人材が見つかれば、スンダーいわく「かけがえのない人材として扱った」。
だがそうした人材かどうかを、どうやって判断するのか?
彼らが何かを犠牲にしたり、他人の成功を喜ぶことがあるかどうかに注目すればいい。スンダーはこう指摘する。
「ときとして、より大きな成果を得るために、誰かが何かを犠牲にしなくてはならないことがある。僕はそういうときの行動に強く注目している。自分とは直接関係のない、ほかの部署の成功を喜んでいるときもだ。そういうことに目を光らせるんだ」
(本原稿は、エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル著『1兆ドルコーチ──シリコバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』〈櫻井祐子訳〉からの抜粋です)
2001年から2011年まで、グーグル会長兼CEO。2011年から2015年まで、グーグル経営執行役会長。2015年から2018年まで、グーグルの持株会社アルファベット経営執行役会長。現在はグーグルとアルファベットのテクニカルアドバイザーを務めている。
ジョナサン・ローゼンバーグ(Jonathan Rosenberg)
2002年から2011年まで、グーグルの上級副社長としてプロダクトチームの責任者を務めた後、現在はアルファベットのマネジメントチームのアドバイザーを務めている。
アラン・イーグル(Alan Eagle)
2007年からグーグルでディレクターとしてエグゼクティブ・コミュニケーションの責任者、セールスプログラムの責任者を歴任している。
3人の著書に世界的ベストセラー『How Google Works 私たちの働き方とマネジメント』(日経ビジネス人文庫)がある。
櫻井祐子(さくらい・ゆうこ)
翻訳家。京都大学経済学部経済学科卒。大手都市銀行在籍中に、オックスフォード大学大学院で経営学修士号を取得。訳書に『第五の権力』『時間術大全』(ともにダイヤモンド社)、『NETFLIXの最強人事戦略』(光文社)、『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』(日本経済新聞出版社)などがある。