「生活防衛資金」は生活費何カ月分?
必要額には諸説ある

「生活防衛資金」とは一般には聞き慣れない言葉かもしれない。ただ、投資をしている個人の間では知れわたっている言葉で、生活費の支出に備えて、投資に回さずに預金などに置いておくお金のことを指す。この生活防衛資金として、給料あるいはもう少し細かく月々の生活費の何カ月分を貯めておくべきかについて、投資家あるいは投資について説く著述家の間で諸説あるのだ。

 ほぼゼロでいいとする意見から、2年分必要であるとする意見までの幅がある。一例として、諸説を要約したブログ記事をご紹介しよう(ブログ「大黒柱妻と専業主夫の2人育児」の「投資にまわさないお金生活防衛資金はいくら必要?」)。

 上記ブログには筆者の意見も紹介されていて、「3カ月分」を主張していることになっている。もちろん、正しい紹介だ。

 半年から1年、さらには2年という意見がある中で、少なめの3カ月でいいと筆者が考えている理由は、投資信託や上場株式等の投資は部分売却が可能で、数日で換金できるからだ。予定外の大きな支出が必要になった場合はちゅうちょなく投資を部分的に解約するといい。お金は使うためにある。

 3カ月分程度の資金を普通預金に持っていれば、カードローンなどの利率の高い借金はせずに済むだろう。

 問題は、例えば自分が保有する投資信託を、そのときの基準価額にこだわらずに部分的に売却することができるかどうかだ。制度や商品としては間違いなくできるし、意思決定としてはそうすることが合理的だ。

 しかし、過去の自分の買値と現在の価格の関係や、部分的に解約した価格よりも近い将来値上がりすると悔しいのではないかといった感情(後者は行動経済学で言う「後悔回避バイアス」)などが働いて、合理的にお金を扱う自信を持てない人がいるようだ。