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メディアが煽る「シニア層の働き方」に違和感

 筆者は、2003年に努めていた出版社を退職し、これまで15年以上、いわゆるフリーランスの記者、編集者を続けている。年齢は50代後半。フリーランス(個人事業主)としては、メディア関係の仕事が多いが、シンクタンクのリサーチャー、企業研修の講師も請けている。営業活動の中では、就職(定期収入源・長期契約)を見据えた交渉をすることもある。

 政府も、企業の雇用維持が難しいと判断したのか、副業やフリーランスを新しいワークスタイルとして支援する動きがある。ありがたいことだが、自身の経験、取材・執筆活動の中で同世代声を聞くと、現在のシニア層の転職や独立について、政府、企業、メディアが煽るそれに違和感も覚える。

中高年をとりまく労働市場

 まず、シニア層の労働市場を振り返ってみよう。2019年上期、NECや富士通が45歳以上の早期退職プログラムを発表し、物議を醸した。最近では、アウディが9000人、日産が1万人、ダイムラーも1万人規模のリストラをグローバルで計画していると各紙が報じている。東京商工リサーチは2019年に希望退職・早期退職を募った上場企業は16社と発表。そのうち10社が45歳以上をターゲットとしている。そして、政府は国民年金の破綻を回避すべく、年金支給開始年齢と定年の引き上げに躍起だ。

 世の50代前後から上の世代は、いかに定年までリストラに遭わないか、定年まで勤めあげても年金支給までの収入をどうするか、年金で足りない分の貯蓄や資産運用をどうするか、これらの厳しい現実と向き合わなければならない。