ファミリーマートで当初計画の800人を大きく上回る1025人が早期退職する。コンビニエンスストアを巡っては、24時間営業の問題や成長の限界が懸念され、大手でも人材流出が続いていると指摘されている。週刊ダイヤモンド3月7日号の第1特集『コンビニ搾取の連鎖』では、加盟店や取引先に加え、本部社員もコンビニ本部の犠牲になっている構図を詳報した。ここでは特集に入り切らなかった拡大版記事として、コンビニ本部社員の転職事情をお届けする。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
「本部社員の目標達成=オーナーの幸せ」との建前
恨みや反感を買う実態との乖離が大きい
2月に1025人が希望退職すると発表したコンビニエンスストア業界2位のファミリーマート。澤田貴司社長は昨年12月のダイヤモンド編集部のインタビューで、2016年のサークルKサンクスとの経営統合によって本部の人材が増えた半面、店舗数が統合直後と比べて減少したことから、「生産性は明らかに落ちている」と希望退職を募った理由を説明した。
その上で早期退職者の再就職について、「構造改革で社内のポストがなくても、社外にポストはあると思う」との見方を示していた。だが、実際のところ、コンビニ社員の転職事情はどうなっているのだろうか。
ある転職市場に詳しい関係者は、「加盟店の経営指導を担当する社員の再就職は、思うようにはいかない」と指摘する。「加盟店の経営指導を担当する社員」とは、業界最大手のセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)ではOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)、ファミマとローソンではSV(スーパーバイザー)と呼ばれる店舗指導員のことだ。