日本海側も津波の可能性大
北海道東部は3.11クラスの津波か

 この内陸地震は陸だけが震源になるとは限りません。海底の断層が動くと、津波が発生します。その恐れがあるのが日本海側です。津波というと、太平洋側を思い浮かべる方も多いようですが、日本海側での津波にも警戒が必要です。

 先ほどもお伝えしたように、南海トラフ地震の場合は海溝型で、震源域が海岸からある程度離れているので、地震発生から津波の襲来までに若干の時間があります。しかし、“内陸型の地震”が日本海で発生すると、震源が海岸から近いので、津波はあっという間にやってきます。日本海側の海岸や河口付近にお住まいの方は地震が起きて「揺れが収まった」と安心せず、津波の襲来から逃れるために、なりふり構わず高台へ逃げてください。指定の避難場所にこだわる必要はありません。とにかく高台に逃げるのが先決です。

 実際に、1993年に起きた北海道南西沖地震では津波が発生し、奥尻島では地震後5分に襲来した津波によって死者200人超という大きな被害が発生しています。

北海道南西沖地震後の奥尻島
1993年に起きた北海道南西沖地震後の奥尻島 写真提供:佐藤比呂志教授

 そのほかに懸念されているのは、北海道の太平洋側にあるプレート境界「千島海溝」でのM9クラスの巨大地震の発生です。実際に千島海溝のプレート境界で強い固着が起こっており、この固着が解消される際に巨大地震と、東北地方太平洋沖地震クラスの大きな津波が起きる可能性があります。

 道東の厚岸エリアにある霧多布湿原で観察される津波堆積物の調査から、17世紀に超巨大地震が発生したことが分かっており、前回の発生から400年ほど経過しています。今後30年以内に発生する確率は地震調査推進本部によって最大で40%と見積もられており、切迫性が高いと考えられます。北海道道東の沿岸にお住まいの方は、巨大津波の襲来に十分に警戒していただく必要があります。