FRB追加利下げ
財政出動など政策は総動員されるが…
これから、主要国は経済下支えのために、金融、財政政策を総動員してくるだろう。
FRB(米連邦準備制度理事会)は3日に0.5%の緊急利下げをしたばかりだが、市場は、17、18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でさらなる0.5%の利下げを織り込んでいる。
12日に理事会を開くECB(欧州中央銀行)も、政策金利を引き下げないまでも、TLTRO(貸し出しを増やした銀行への長期資金供給オペレーション)強化には踏み切るのではとみられている。
米欧の中央銀行が緩和策に踏み切れば、日本銀行も18、19日の政策決定会合で円高圧力をかわすために、ETF(上場投資信託)買い入れ額増加など何らかの緩和策実施に追い込まれる公算は大きい。
このように政策が総動員されても、それで市場が落ち着きを取り戻すとみるのは早計だろう。
金融政策に感染抑止に対する直接の効果があるわけではない。財政政策も同様だ。トランプ政権が提案している給与税減税、日本の緊急対策にある資金繰り支援は、GDP(国内総生産)拡大や倒産防止に効果はあるものの、感染拡大に歯止めをかけるわけではない。
米国では、経済対策発表の会見にトランプ大統領は出席せず、市場関係者の期待を後退させてしまった。そうした状況を受けて11日、日経平均株価は前日比451円安で取引を終えた。
感染がどこまで拡大するか分からないというのが市場関係者の本音。終息のめどが立たず、経済がどこまで落ち込むかが不透明な状況は当面続く。株価、為替など市場の混乱も解消されることはない。