相談時に先入観を持つと
失敗する

 部下から相談を受けたときに、先入観から行為者を擁護してしまうケースがあります。

 なぜ擁護してしまうか。1つには長年結果を残してきた功労者であるケース。もう1つは、行為者のパワハラ発言が会社の意思を代弁しているケース。「死ぬほど働け」「ノルマ達成するまで帰ってくるな」と社長自身も思っていて、行為者の発言は部下指導にすぎないと考えます。そのような場合、会社は穏便に済まそう、手心を加えようと思います。

 しかし、それは避けなければなりません。
 たとえば、被害者がうつ病になってしまったら、会社の管理不行き届きで、会社も責任を問われることがあります。口頭注意で済まそうとするなど保身に走りがちですが、客観的な事実関係や証拠で判断しないといけません。

 次回は「パワハラ防止」義務化に向けた企業の取り組み状況や、法令対応のために何をしなければならないかなど、経営者へ人事担当者の方に役立つ情報をお伝えします。