株というものは企業の所有権です。株主は企業が稼いだ利益の一部をもらう権利があります。東証はそのような株券を売買する取引所で、それぞれの株の価格は日々変動します。

 しかし、その価格形成には2通りの基準が存在します。1つは理論価格で、本質的には企業が稼ぐ利益水準で決まります。そしてもう1つが日々の取引価格(これが株価です)で、売り買いの需給で決まります。

理論価格と取引価格で考える
株価の「適正水準」とは

 ここが、ショックで株価が下落するメカニズムを理解するためのポイントです。1つ目の本質的な理論価格で考えてみると、1月17日までの日経平均株価は「上場企業が稼ぐ利益の14年分」という水準のイメージが投資家の間で共有されており(これを金融用語ではPER14倍といいます)、それが2万4000円くらいの価格を形成していたと捉えることができます。

 日経平均がそれまでゆっくりと上昇していたのは、「東京五輪が開催されて、2020年の日本は景気がもっとよくなりそうだ。そうだとすれば、企業の業績ももっとよくなるだろう」と論理的に予測する人が多かったからであり、「上場企業の稼ぐ利益が増えるから、株価も高くなる」というメカニズムで、長期的に株価が上昇していたと考えられるわけです。

 もう1つの需給という考え方では、「日銀や年金基金がETFを買い続けるから株価が上がったのだ」といったことになります。そこにコロナショックが起こり、需給が崩れました。

 最初の下げは「2020年に企業が稼ぐ利益はコロナで減りそうだから、株価は低くなるだろう」という考えから株価が下がり始めます。その後売りが増え、需給が崩れてしまったせいで価格下落が加速していきます。「みんなが売っているから株価はもっと下がるだろう。だったら自分も売った方がいい」と考える人が増えるので、株価はどんどん下がっていくのです。