Twitterフォロワー22万超え、リクルート、ライブドア、LINE、ZOZOといった、誰もが知る人気企業で働き、現在はオンラインサロン「田端大学」の塾長も務める田端信太郎さん。田端さんと同い年で10年来の友人だという、ライフネット生命創業者の岩瀬大輔さん。
田端氏が2019年12月に出版した『これからの会社員の教科書』を読み、50万部突破のベストセラーの著書『入社1年目の教科書』の「返歌」のように感じたと岩瀬氏。
「会社に入ったら最初に読むべき本」として支持される2冊だが、著者の2人はいわゆる「社畜」的な生き方とは正反対、さまざまな組織での経験を経ながらも、「一個人」として活躍している。
そんな2人が「会社では教えてもらえない、けれど新入社員が今知っておくべき本当に大切なこと」について語り合う。
第2回は、新入社員が「それって意味があるの?」と思いがちな雑用や意外な業務の、とてつもない「効能」について。
(構成:両角晴香、ダイヤモンド社・和田史子、撮影:増元幸司)
※対談・前編はこちらからお読みください
雑用には「成長」のヒントが詰まっている
岩瀬大輔(以下、岩瀬) 田端さんが書かれたと田端さんの『これからの会社員の教科書』ですが、タイトルを見ただけでは、新入社員向けの本と気づきませんでした。けれど、読み進めるうちに、拙書『入社1年目の教科書』で僕が伝えたかったことと共鳴するところがたくさんありました。
田端信太郎(以下、田端) ありがとうございます。
岩瀬 本を読んで、僕がもっと早く知っておきたかったと悔やんだ点を質問させてください。僕は、『入社1年目の教科書』で「カバン持ちはチャンスの宝庫」と書いたんですね。
カバン持ちのような仕事は、若手からすると、一見、光栄ではない仕事かもしれませんが、捉え方ひとつで成長のスピードが変わる、意味のある仕事であると。カバン持ちをすれば、一流の経営者が持つ視点やビジネスマナー、立ち居振る舞いを一から直接、学べるからです。
田端 僕も若手時代は雑用を率先してやってきたタイプですから、よくわかります。
例えば、コピー取りなんかもそうですよね。「30部コピーとって」と指示されて、コピー機の前でじっと仕上がりを待つか、待っている間に資料を読み込んで、「コピーできました」と渡すついでに、資料の感想を伝えたり、「この資料をあそこの会社にも持って行ったらどうでしょう」と提案してみるとか。一言二言コメントするだけでも、上司に一目置かれますよね。これって、ちょっと意地悪な「ひっかけ問題」のようだけど、上司に常に「プラスα」を見られているという発想は持っておくべきでしょうね。
岩瀬 雑用や下働きをネガティブに捉えるのではなく、自分に与えられたチャンスだと解釈できる人は強いです。成長を加速させるカギだとも思います。これらは、『これからの会社員の教科書』と『入社1年目の教科書』共通のメッセージといえるでしょう。