ランチのお店選びは、実は難易度の高い仕事?
岩瀬 田端さんが『これからの会社員の教科書』で書かれた「店選びと手土産選びはプレゼンテーションの舞台」も深く共感しました。ランチや会食などのお店選びは、雑用のようで、実はセンスと人柄が問われる難易度の高い仕事です。
僕がお店を選ぶときは、できるだけ「なぜそのお店を選んだのか語れるストーリー付き」にするようにしています。個人的に思い入れがあるお店、ゲストに深い関わりがあるお店とか。そういう大切なことをおざなりにして、食べログの点数などで安易にお店選びをする人が意外と多い気がします。
田端 プロフェッショナルというのは、独立した個人ですからね。お店選びって、ある種、その人のネットワークを譲位してもらうことなんですよ。岩瀬さんに紹介してもらったお店に、僕が次回、大切な誰かをお連れするとします。すると、その方にも「岩瀬さんの紹介なんですよ」と伝えることができる。そういうのが一番うれしい。だから軽々しく、「誰か紹介してくれ」と頼んでくる人に遭遇すると、「紹介者責任」を甘く見ているなと、正直ガッカリします。
岩瀬 いつだったか、「この店に20年通っているんです」という下町のお寿司屋さんに連れて行ってもらったことがありました。「おやじさんが駆け出しの頃からの付き合いです」なんて物語付きで紹介されるのが、すごく新鮮でしたね。
もう1つ思い出すのは、ライフネットを創業する前に伺った、さわかみ投信さんの「おもてなし」です。会議室でビールとサンドイッチで歓迎してくれたのがとてもうれしかったですね。自宅でおもてなししてくれているような、アットホーム感がありましたね。
誤解して欲しくないのは、高い店を選びなさい、ということではないということです。相手のことを考えて、時間を使っておもてなしするという心意気が大事なのだということです。『これからの会社員の教科書』を読んで再確認しました。