知識は勉強に限らず、
子どもが興味のあることから広げる

 2つ目は、「脳の中身を増やすこと」です。これは、いわゆる知識や情報といった、頭に入れたい内容そのものです。
 せっかく働きのよい脳を持っていても、脳の中に入っている「素材」が十分になければ、宝の持ち腐れになってしまうでしょう。その意味で、子どもに多くの素材に触れさせてあげることはやはり重要です。
 そのときに、必ずしも勉強に関わることでなくても、子どもが興味を持ちそうなことを入り口として深めていくのもいいですし、音楽や運動でもよいのです。音楽も運動も、脳の働きによって行うものですから、非常に脳を使いますし、知識も増えます。そして、くり返し行って習熟することで、ほかのことにも波及し、取り組んでいた以外のことのレベルも上がってきます。
 運動ができる子は頭もいい、というのは、こういうことなのです。東大生にはピアノを習っていた子が多いということが一時期話題になったことがありますが、ピアノに習熟することが脳の可塑性を高めたということができるのではないかと思います。