その方法は、事前にオンライン診療ツールとなるアプリに、個人情報を登録してアカウント(利用者を識別する登録コード)を作成する。登録費用は無料。そのアプリから診察枠を予約し、オンラインで診察を受け、クレジットカードの引き落としで会計を済ませる(オンライン診療ではシステム使用料金がかかる。その費用は診療所やクリニックが決められるため異なる)。診察費用は公的医療保険が適用される疾患と、自費診療になる疾患がある。

 薬の受け渡しは、平時は診察終了後、診療所やクリニックから患者の自宅へ薬の処方箋が郵送される。患者は都合のいいときに処方箋を薬局へ持って行き、薬剤師から服薬指導を受けながら薬を購入する(現在の新型コロナウイルス感染症拡大時の変更については後述)。患者本人しか薬を受け取れない。

 どのくらい利便性が高いものか、筆者がオンライン診療を試した。国内でいち早く、2016年からオンライン診療を取り入れている、外房こどもクリニック(千葉県いすみ市)の黒木春郎理事長(日本遠隔医療学会オンライン診療分科会会長)に模擬診療を依頼した。

 予約時間になったので、アプリを立ち上げてビデオカメラとマイクを使えるようにセットしたところ、黒木医師が画面に映った。医師の顔はよく見える。声もよく聞こえる。

黒木医師「医師の黒木です。今日は高血圧の診察ですね。何か変化はありましたか」

福原「特にないです」

黒木医師「血圧を計測していますか。記録があれば、グラフを見せて頂けますか」

福原「はい」(画面に向かって、血圧グラフを見せる)

黒木医師「上の血圧(収縮期血圧)は安定していますが、下の血圧(拡張期血圧)が100前後で高い日がありますね。薬は飲めていますか?いま、残っている薬を持ってきてもらえますか」

福原「はい」(別の部屋から薬を持ってきて、画面の前で医師に残っている薬を見せる)

黒木医師「処方した薬の数と今日までの日数が合いませんね。どういうときに飲み忘れますか?このまま、同じ薬を飲みながら血圧が安定するかどうか様子を見ましょう」

福原「す、すみません。毎晩、飲むようにします」

 診察時間は、外来時と同じように5分程度だった。画面を通してのやりとりにも、不都合や問題は感じなかった。特に、難病・重度障害者には、とても便利だろう。高齢者等でパソコンやスマホ等を使い慣れない場合は電話で医療機関や薬局へ問い合わせることもできる。