今回の補正予算案も基本的には同様であり、実際に執行するのは各府省なのであるから当然といえば当然であるが、要するに、各府省所管の予算案の内容を見ていけば、その実態はより分かるということである。

厚労省の病院・病床の削減プランは
なぜ中止しないのか

 厚労省はまさに今回の感染拡大防止の中心的府省であるのでそれにふさわしいもの、感染拡大防止対策や感染者対策が主なものではあるものの、そもそも病床増や保健所などの対応体制強化といったことは、感染拡大が懸念され始めた2カ月前からやっていて然るべきであった。遅きに失しているとしか言いようがない。むろん、厚労省にその責任があるわけではなく、振り回されてきてしまったということなのだろうが。

 一方で、地域医療構想の名の下に進められつつある公立・公的病院の再編・統合という病院・病床の削減プランは、このような状況下、当然中止されてしかるべきであるが、どうなったのか。まさかブレーキとアクセルを同時に踏むようなことはしないと思いたいが…。

今必要な対策が皆無の国交省
悪名高き「Go Toキャンペーン」

 今、必要な対策が皆無の好例は国交省である。

 観光キャンペーンに観光コンテンツの磨き上げ、そして表示の多言語化にキャッシュレス対応支援と、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響への対策という観点では全く意味不明。経産省等と共管ではあるが、「国内に向けた観光需要喚起策」として、「感染の収束を見極めつつ、かつてない規模の旅行商品の割引による観光需要喚起を行い、観光地全体の消費を促進」「甚大な被害を受けている観光業について、飲食業、イベント・エンターテイメント業などを支援する取組に併せて、官民一体型の需要喚起キャンペーンを実施」等が記載されている。

 これが悪名高き「Go Toキャンペーン」であり、経産省所管予算として計上されているが、総額なんと1兆6794億円。その具体的な中身はどんなものかと言えば、以下のとおり。

 新型コロナウイルス感染症の流行終息後の一定期間に限定して、官民一体型の消費喚起キャンペーン「Go To キャンペーン」を実施。
・Go To Travelキャンペーン:旅行業者等経由で、期間中の旅行商品を購入した消費者に対し、代金の1/2相当分のクーポン等(宿泊割引・クーポン等に加え、地域産品・飲食・施設などの利用クーポン等を含む)を付与(最大一人あたり2万円分/泊)。
・Go To Eatキャンペーン:オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した消費者に対し、飲食店で使えるポイント等を付与(最大一人あたり1000円分)。登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(2割相当分の割引等)を発行。
・Go To Eventキャンペーン:チケット会社経由で、期間中のイベント・エンターテイメントのチケットを 購入した消費者に対し、割引・クーポン等を付与(2割相当分)。
・Go To 商店街キャンペーン:商店街等によるキャンペーン期間中のイベント開催、プロモーション、 観光商品開発等の実施。
・一体的キャンペーンの周知:キャンペーンを一体的に、わかりやすく周知するための広報を実施。

 危機感も緊張感も全くと言っていいほど欠けており、新型コロナショックへの対応策は皆無である。いつになったらこれができる状況になるというのか。その根拠が示された上で、現実的な工程表でもあればまだ理解できるが、そんなものは全くない。これを企画立案した役人なり民間事業者は、空想の世界で生活していらっしゃるのでは?と思いたくなる。