では、どれくらい給付額が拡充されたのか具体的に見てみよう。大学・短期大学・専門学校の場合は以下の通り(高等専門学校の学生については、学生生活費の実態に応じて、大学生の5~7割程度の額となる)。
・自宅通学 国公立 24万円(2019年度まで) → 約35万円(2020年度から)
・自宅通学 私立 36万円(2019年度まで) → 約46万円(2020年度から)
・自宅外通学 国公立 36万円(2019年度まで) → 約80万円(2020年度から)
・自宅外通学 私立 48万円(2019年度まで) → 約91万円(2020年度から)
この支給額が受け取れるのは、中学生の弟妹がいる4人家族の例では、年収の目安が270万円まで。2020年度からはさらに、年収270万円超~300万円未満なら上記の金額の3分の2が、また年収300万円超~380万円未満なら3分の1相当の額が給付される。
ただ、この年収はあくまで“目安”にすぎない。実際にはさまざまな形態の家族があるため、基準を満たす世帯年収は家族構成によって異なる。日本学生支援機構の「進学資金シミュレーター」で「奨学金選択シミュレーション」を使うと、「給付奨学金」の対象となるかどうかが大まかに調べられる。
新制度「入学金・授業料の減免」がスタート
コロナの影響で家計が急変でも支援
さて、2020年度進学者からは、「給付型奨学金の支給」の要件を満たす家庭では、もう1つの柱である「入学金・授業料の減免」も併せて受けられることになっている。たとえば、中学生の弟妹がいる4人家族で年収270万円までの世帯の例では、以下の額が減免される。
・大学 国公立 約28万円(入学金)+約54万円(授業料)
・大学 私立 約26万円(入学金)+約70万円(授業料)
・短期大学 国公立 約17万円(入学金)+約39万円(授業料)
・短期大学 私立 約25万円(入学金)+約62万円(授業料)
・高等専門学校 国公立 約8万円(入学金) +約23万円(授業料)
・高等専門学校 私立 約13万円(入学金)+約70万円(授業料)
・専門学校 国公立 約7万円(入学金) +約17万円(授業料)
・専門学校 私立 約16万円(入学金)+約59万円(授業料)