新型コロナの影響で、米国では自宅での出産を選ぶ女性が増加傾向にあるという Photo:Healthday

パンデミック中でも出産は病院が最も安全

 米国小児科学会(AAP)は自宅での出産に関する提言を発表し、新型コロナウイルスのパンデミックのさなかにあっても、出産する場所は病院が最も安全であるとする見解を示した。この提言は「Pediatrics」5月号に掲載された。

 ガイドラインの筆頭著者であるKristi Watterberg氏は「自宅での出産を選ぶ理由は、人によってさまざまであることはわれわれも認識している。文化的あるいは宗教的な理由、また現時点であれば、新型コロナウイルスのパンデミックに対する不安などから自宅出産を選択することもあるだろう」と一定の理解を示す。

 その上で、Watterberg氏は「われわれは今回、医師向けの情報を妊婦やそのパートナーと共有することで、自宅出産にまつわるリスクを上昇させ得るさまざまな要因についての理解を促し、標準的な新生児ケアを推し進めたいと考えている。自宅での分娩中に救急医療が必要になった場合でも、救急搬送サービスは、新型コロナウイルス感染症患者の対応に追われているため利用できない可能性があることを認識しておくべきだ」としている。

 提言では、病院や認定を受けた出産センターでの出産が最も安全であるということが繰り返し強調されている。米国では計画的な自宅出産で新生児の死亡リスクは2~3倍に上昇し、医学的な合併症のリスクも上昇することが明らかにされているからである。しかし、自宅での出産を選ぶ米国人女性は増加傾向にあり、その多くは白人女性であるという。