ネガティブな気持ちを前向きな力に変える方法

「今の自分は何もできない」と無力感を感じている方に是非試していただきたいことが2つあります。

1)相手の様子をありありと思い浮かべる

母とおそろいの靴下を買って、一緒に履いた写真を撮る
父の好きなアツアツのたい焼きを一緒に頬張って、笑い合う

精神科医・ヴィクトール・E・フランクルの著書『夜と霧』にも、同様のシーンがあります。そこでは、アウシュビッツの強制収容所に囚われた著者が、過酷な状況の中で「妻の姿をありありと思い浮かべて脳裏で対話する」ことで奇跡的に生き延びる様子が描かれています。

ポイントは、その情景をドラマのワンシーンのように鮮やかに思い浮かべることです。味わいや香り、手に触れた感触や日差しなどの五感を活用すると、効果が高まります。

2)祈る

今日も母が1日気持ち良く過ごせますように
父の痛みや寂しさがなくなりますように

祈る、と聞くと、「宗教的で抵抗がある」「ただの精神論では?」と思われるかもしれません。
しかし、施設にいるご家族を思い、「今日1日健やかに過ごせますように」「苦しみがなくなりますように」「幸せでありますように」と祈ることは「祈る側」にメリットがあるのです。

他人の幸せを願う、祈るときにも、前述した「オキシトシン」が分泌され、自分自身のストレスが軽減することが科学的に証明されています。オキシトシンによる充足感や幸福感は、金銭的な報酬を得たり、勝負に勝ったりすること以上に大きいものなのです。

今はまず、自分が良い状態を取り戻すのが先決です。「思い浮かべること」「祈ること」に特別な道具は必要ありません。心のなかでイメージしたり、唱えたりするだけです。

自粛が終わった後、家族のために気持ち良く動ける体制を整えるためにも、是非試してください。

今後も、先行き不透明な状況が続き、新型コロナウイルスの対策についても長期戦になる可能性が高いです。「このような状況がいつまで続くのか?」「会えないまま、最期のお別れが来てしまうのではないか?」といった、様々な不安の中で過ごされているかと思います。「自分には何もできない」「何もしてあげられない」と、辛い気持ちが募った時に、今日ご紹介した方法がお役に立てたらと願っています。