「アクティブはインデックスに勝てない」
は本当なのか?

 では、アクティブファンドはどうでしょうか。アクティブファンドとは、銘柄の選別が生命線のファンドで、今申し上げたような株価インデックスの値動きに関係なく、高いリターンを目指す運用を指します。

 ただ、世間でよく言われるのが「アクティブ運用はインデックス運用に勝てない」ということです。

 その理由として「アクティブファンドはコストが高いから」と言われますが、それは違います。そもそも本気で銘柄を選びに行っていないからです。

 この世の中にある大半のアクティブファンドは、組入銘柄を選ぶにあたって業種の構成をインデックスに合わせます。たとえば銀行は何%で、電機は何%、自動車は何%というように、ほぼインデックスと同じ業種構成比率にしたうえで、銀行はみずほフィナンシャルグループではなくて三菱UFJフィナンシャル・グループにしようとか、自動車は日産自動車ではなくトヨタ自動車にしようというように選別していくのです。何ともダイナミズムのない、つまらない運用をしています。

 私に言わせれば、たとえば日本株のアクティブ運用を行うなら、銀行のように何の価値も生み出していないような業種は、最初からポートフォリオに入れません。でも、それが出来ないのが日本のアクティブ運用なのです。

 なんでそんなことになってしまったのかというと、やはりインデックスに負けると上司から怒られるのでしょうね。怒られないようにするには、運用成績がマイナスになった時でも、少なくともインデックスのマイナス幅と同じ程度に納めておきたいわけで、そのためにはポートフォリオの内容を、インデックスから大きく外さない形にしておく必要があります。だから、インデックスとほぼ同じ業種構成比率にしたうえで、銘柄の選別を行っているのです。ところが、それではコストを吸収できるだけの運用成績を挙げることが出来ず、結果的にコストの分だけインデックスに割負けするという結果を招いているだけなのです。

 肝心の、何を選べば良いのかということですが、米国のS&P500みたいな、エクセレントカンパニーばかりで銘柄構成をしているインデックスであれば、それを選んでも良いでしょう。日本株のインデックスファンドを選ぶのは論外で、それならアクティブファンドを選んだ方が幾分かマシかも知れません。要は、インデックスなのかアクティブなのか以前の問題として、そのファンドの中身が利益を上げ続ける企業で構成されているのかどうかということなのです。利益を上げ続けることができない企業で構成されているのなら、そもそも長期的な株価の上昇を見込むことなどできないので、アクティブなのかパッシブなのかを考えるだけ無駄というものです。