数多くの情報番組やバラエティ番組に出演して、硬軟自在に的確なコメントをくり出し、全国各地で笑いの絶えない講演会をくり広げ、大学の教職課程では教師の卵たちを前に実践的な教えを展開する齋藤孝 明治大学文学部教授。
むずかしい話も、わかりやすく、ゆかいに、さらに深堀りして教えてくれる『アウトプットする力』は、まさに日本最高峰。その齋藤孝先生が、「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法を教える。
インターネットの情報でインプット過剰になっている今、勉強でも仕事でもプライベートでも、成果を最大化するには、実は「インプット1:アウトプット9」の“超アウトプット優先”がいちばん効果的。
アウトプットは練りに練った1本より「数」で勝負。齋藤式「15秒」アウトプット術で、成果を最大化する「知的発信法」を身につけよう!
「優れた文学は読むだけで、そのすごさがわかる」と言われます。たしかにそうかもしれませんが、ちょっと反論したい気持ちもあります。
受け身で本を読む行為は、少し厳しい言い方をすれば、自分の知性をアクティブに働かせていないということ。本当の意味で、作品を深く味わっているとはいえません。
もっと能動的に、3色ボールペンで線を引きつつ、本と対話しながら読み進めることをおすすめします。
たとえば、小説を読んでいて「大の大人が、その程度のことで落ち込むわけないだろ!」とツッコミを入れる。あるいは「あのとき登場した人が、まさかこのシーンでも登場するとは! なるほど、さすが!」と感心する。
または、ビジネス書を読んでいて「えっ!? そんな方法で問題を解決するの? 斬新すぎる!」と驚く。
こうして本と対話するだけで、読書の味わいが一段と濃いものになるのです。
さらに一歩踏み込んで、「これはどう使えるか?」とアウトプットを意識しながら読んだらどうでしょう。
「こんなセリフを聞いたら、誰だってやる気になるよね。会社の後輩に対しても使えそう」
「こういう根まわしの仕方って賢いな。会社で企画を通すときにも応用できそう」
「こういう表現をすれば、体の動かし方がわかりやすいんだな」