数多くの情報番組やバラエティ番組に出演して、硬軟自在に的確なコメントをくり出し、全国各地で笑いの絶えない講演会をくり広げ、大学の教職課程では教師の卵たちを前に実践的な教えを展開する齋藤孝 明治大学文学部教授。
むずかしい話も、わかりやすく、ゆかいに、さらに深堀りして教えてくれる『アウトプットする力』は、まさに日本最高峰。その齋藤孝先生が、「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法を教える。
インターネットの情報でインプット過剰になっている今、勉強でも仕事でもプライベートでも、成果を最大化するには、実は「インプット1:アウトプット9」の“超アウトプット優先”がいちばん効果的。
アウトプットは練りに練った1本より「数」で勝負。齋藤式「15秒」アウトプット術で、成果を最大化する「知的発信法」を身につけよう!
知の回転力を高めるには、アウトプットを前提にすることが肝心です。
「人に話す」「SNSで発信する」などのアウトプットをするためにインプットしようと心がけるのです。するとインプットとアウトプット、両方の力が高まります。
私は、数百人の聴衆を前に講演をする機会がよくあります。講演をするからには、聴衆との間に、せめて10倍以上の知識の差がなければなりません。
あるテーマについて、聴き手のほうが本を1、2冊読んだことがあるとしたら、話し手のほうは最低20冊は読破しておくイメージです。
そんなわけで、講演の2日前から集中的にインプットをするのですが、特定のテーマについて一気に2冊近くの本を読むと、もうそれについて語りたくてたまらなくなります。
その熱意が沸点に達したタイミングで演台に立つので、もう自信満々なのです。
自分の知識にかけあわせて、読んだばかりの内容について話すわけですから、読書から得た感動をリルに再現できます。
必然的に、聴き手に面白がってもらいやすいのです。
もちろん、ただ20冊の本を読んだだけで、面白い話ができるわけではありません。
そこには、20冊の知識を上手に取捨選択し、起伏のあるストーリーに仕立て直すテクニックがあります(これについては本書でのちほど詳しく説明していきますね)。