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シルバーパワーがみなぎる街

高齢者就業率ナンバーワンの区はどこだ?

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第9回】 2012年8月28日
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【図2】高齢者の就業率 資料:総務省統計局「国勢調査」より作成
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 サラリーマンの多くは、65歳を過ぎると定年を余儀なくされる。大企業の役員でも、定年制が敷かれているケースが多い。パートやアルバイトも歳を取ると採用が難しくなってくる。しかし、中小企業の役員や自営業主には定年がない。

 このため、働く高齢者はどうしても役員待遇の人が多くなる。といっても、日本の事業所の大多数は中小企業だ。東京もその例外ではないから、都心にリッチな大企業の役員が多いというのではない。老舗の伝統に象徴される「家業」の蓄積を有しているから、都心では働く高齢者が多いと理解すべきだろう。

 長い経験の中で培われた知識やスキル。これをビジネスの世界で如何なく発揮する高齢者の姿は、生きがいに溢れる人生そのものだ。働くことは、身体と心の新陳代謝を促す長寿の源である。

 逆に、高齢化の進展が速い北区や足立区で、高齢者の就業率が低いことには憂慮を感じる。これもまた、新陳代謝の低さの表れだとすると、課題は相当に根深い。

 少しデータが古くなるが、2005年の東京都の平均寿命は、47都道府県中男性が5位、女性は28位。男女間の差は埼玉県に次いで小さい。埼玉県で男女の差が小さいのは、女性の平均寿命が42位と低いためだが、東京ははっきりと男性が長生きだ。生涯現役で働く男性が多いことと、偶然の一致とは思えない結果である。

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池田利道
[一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也
[一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら

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国勢調査の結果は、大規模なデジタルデータベースとしてネット上で公開されているマーケット開拓情報の「宝の山」だ。反面、その内容があまりにも精緻であるがゆえに読み解き方は難しい。当連載では東京23区を例に取り、膨大な国勢調査データを実務に生かすヒントを紹介する。

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