欧州では乗り物を使ってわざわざ会いに行くと怒られる!?

 私は夏至冬至の日の年2回、中小企業向けに“ゼロ・ウェイスト”や“脱・プラスチック”を促す雑誌を発行しています。毎号ひとつの国にフォーカスし、その国の日本には知られていないエコ企業を雑誌内でレポートしています。ベルリンにある〈セコンドベック〉というパン屋さんは、その名前からも察することができるように「セカンドハンド(新古品)」のパンを売るお店です。その運営のシステムは大変ユニークで、ベルリンの街中で余した他のお店やホテルのパンを回収し、新品のようにディスプレイして売るというスタイルです。

 住宅地にあるお店に入るなり、私は店員から怒られました。「お前は環境雑誌をやっているのに、どうして飛行機に長時間乗って、CO2をまき散らして、わざわざ日本からベルリンに来るんだ!?〈ZOOM〉で十分だろ、これは」と。

 皮肉か冗談かと思いましたが、その店員は本気でした。でも、これが今の欧州に住む人の普通の感覚です。同時期にベルリンで取材したエコビレッジは大規模なのにもかかわらず駐車場はゼロ。そのメッセージは「車で来ないで」だそうです。

 スウェーデンの高校生で、たったひとりで気候変動へのストライキを始め、世界中で一躍有名になったグレタ・トゥーンベリさんも、今ではすごい影響力の持ち主で、ストップ温暖化会議や環境保全会議と国境を越える毎日ですが、実は飛行機以外の手段で動いています。当然これにはパフォーマンスというか、世界へのアウェアネス(気づき)も込められています。

 でも、世界のティーンたちは支持しています。私は仕事柄、世界中の高校のキャンパスに足を運びますが、生徒たちが主催するイベントのポスターを見ると、その多くが環境に関するものです。この子たちが選挙権を持つころには、きっと世界の多くの国で“緑の党”みたいな環境保全の政策を前面に掲げた政党が多くの支持を集めていることでしょう。