テレワークに関する悩みを
「今」と「これから」に分けて考える

 しかし、良い効果ばかりではありません。同時に弊害が起きているのも事実です。テレワークは人とのつながりが希薄になりやすく、これをきっかけに、不安や孤独を覚えたり、創造や助け合いが停滞するといった悩ましさを感じたりする人も一定数存在しています。

テレワーク環境における心理的変化
参照:『コロナ禍を受けたテレワークの実態調査』(リクルート住まいカンパニー)
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 なぜ、こうした悩みを持ってしまう人がいるのでしょうか。まず、これらの悩みは大きく2種類に分けることができます。

 1つ目は、「急に」「大規模に」「多くの時間」テレワークに移行したことによって、生じている悩みです。言い換えれば、【今・目下の】悩ましさです。こちらは、ポイントを理解して実践し、経験値を積むことや、対面とテレワークの良いバランスを見つけることで、解決できます。つまり、時間が解決してくれることが多い悩みです。例えば、「テレワーク下での意思疎通」「部下がさぼっていないか心配」「ちょっとした相談がしにくい」など、です。

 テレワークの初期は、非対面でのコミュニケーションに手間がかかるといった不満(逆に非対面だからとコミュニケーションを端折ることへの不満もあります)や、通信トラブルなどによりイライラすることがしばしば起きます。テレワークのメリットを感じている人でさえ、不安や疲れを感じるほどです。

 しかし、いくら時間が解決してくれる面があるとはいえ、こうした【今・目下】の悩みを放置しておくのは望ましくありません。なぜなら、「結局、直接・対面で仕事をした方が話が早い」ということで、せっかく導入した企業でもテレワークの活用が大きく後退する可能性があるからです。

 2つ目は、ゆくゆくは日本の伝統的な企業も向かうと思われていた組織人事の変化が、コロナ禍でテレワークを「体験した」ことによって加速し、それゆえに生まれた悩みです。【これから】を見据えた悩みと言い換えられるでしょう。