日本自動車工業会がコロナ対策として
「助け合いプログラム」発足
日本の自動車業界の総本山である日本自動車工業会(自工会)が6月23日に自動車業界初の取り組みとして、新型コロナウイルス危機下における自動車関連企業の資金調達を支援するための「助け合いプログラム」発足を発表した。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で世界の自動車工場の生産が一時停止となり、サプライチェーン(供給網)が寸断された。ようやく世界各地の自動車工場で再稼働の動きが広がってきたが、本格的な自動車の需要回復にはほど遠く、日本の自動車産業全体が厳しいコロナ禍対応を迫られている。
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今回の自工会による「助け合いプログラム」は、中小サプライヤー(部品企業)の資金調達の支援が目的だ。自工会より金融機関(三井住友銀行)に預け入れる預金を担保として信用保証を行う。総額20億円規模で、資金調達を早期に必要とする自動車関連企業が取引銀行から迅速に融資を受けることを可能にする仕組みだ。
自工会の会員である日本の自動車メーカー各社は、コロナ禍で今期の業績見通しについて「コロナ危機はリーマン危機よりもはるかにインパクトが大きい」(豊田章男自工会会長=トヨタ自動車社長)との見方を示している。必然的に、コロナ危機克服のために会員企業各社は、事業活動の停滞を受けて運転資金や供給網支援へ手元資金の確保に動いている。