次に、営業日を限定する方法がある。旅館やリゾートは週末だけの営業にし、ビジネスホテルなどは平日のみの営業とする。営業日数のダウンサイズだ。

 また、シティホテルなどでは宴会需要の低迷から、例えばレストラン部門と宴会部門とを統合してもよい。それにより配膳会などへの発注が減らせ、業務委託費の削減になる。

 より具体的な話でいえば、低稼働の中での運営においては、ビジネスホテルもシティホテルも「朝食の提供」を休止してはどうだろう。朝食は部門別で見ても、一定数の喫食数がなければ黒字化できないし、その一方で準備に必要な時間(拘束時間)と労力は大きく、非常に効率が悪い。したがって、「企業の存続」のために営業利益効率を上げることを第一に、朝食の営業を休止することをおすすめする。

 しばらく(業界の通説では18カ月)はこのような状況が続くことを覚悟し、資金調達の方法論も追加で模索しなければならない。国も追加の方策を考えてはくれているが、受けられる融資は受けるべきだ。

 同時にキャッシュアウトを極力小さくする努力もしながら、経費、特に人件費(ホテル業界では業務委託費も人件費の一部と考える)の効率化を追求しなければならない。

 これからは、「企業の存続」と「スタッフの健康の維持」を第一義的に捉えて実践すべきだ。さらに言えば、この際、顧客満足(CS)であったり、ホテルマンの矜持・プライド、あるいは伝統や商習慣であったりしても、企業の存続とスタッフの健康に悪影響を及ぼすものであれば、この危機下ではいったん脇に置き、効率を優先して、何ごとも徹底して実践すべきである。