【管理職のお悩み(2)】
部下の目標設定はどうすればいいですか?

Q.これからテレワークが浸透する中で、部下の目標を設定する際は、どのようなことを考慮するとよいですか。

 テレワークによって、プロセスではなく成果で評価することが基本になれば、社員は「自律的」であることが求められます。仕事に慣れないうちは仕方ありませんが、一挙手一投足すべての指示を上司に仰ぎながら進めるのではなく、大きな方向性・ゴールを決めた上で、進め方を部下に任せることになります。そうすると、より目標設定が大切になり、それは部下のエネルギーが最も出る内容にする必要があります。

 そのとき大事にしたいのが、WILL、CAN、MUSTの概念です。

 MUSTは会社や組織の方向性のことで、その人に対する期待です。一般的にはこれが目標になることが多いですが、これだけでやる気が出る人はあまりいないでしょう。

 そこで大切なのが、やる気を高めるWILLです。自分のキャリアにどうつながるのか、どう成長できるのか、そうした社員の気持ちを重視する目標であれば、やる気も生まれます。部下に、一生懸命、自律的に仕事をしてほしいのであれば、目標を設定する際にWILLに配慮しましょう。

 3つ目のCANは、「あなただからお願いしたい」といったその人の持ち味や能力、経験です。

 つまり目標設定の際は、WILLとCANとMUSTの3つが重なるものを想定していただきたいと思います。

 目標は最終的に会社が決めるものですが、ちゃんと話し合うなどして部下のやる気を引き出しましょう。去年をどんなふうに振り返っていて、今年はどうしていきたいか、将来はどんなことがしたいかなど、部下が人生において大事にしていることを確認しながら目標設定を行ってください。