エンタメ業界が新型コロナウイルスの感染拡大により大打撃を受けている。ほとんどのジャンルが「人が多数集まる」ことで成り立っていたからだ。中には崩壊が危惧されるジャンルすらある。一方で、同じエンタメでもゲームや漫画は巣ごもり消費にうまく乗った。エンタメ業界の明暗や生き残り策を徹底的に取材。特集『コロナで崩壊寸前!どうなる!?エンタメ』は、7月20日(月)から26日(日)までの全17回でお届けする。
#1 7月20日(月)配信
エヴァもコナンも…アニメ公開延期100本超「アナログ制作現場」の憂鬱
コロナによる巣ごもり需要が高まっているといわれるアニメ。本来なら、リモートでも制作ができるため、実写作品を代替する可能性すらささやかれていた。ところが、現在起こっているのはおよそ100本もの劇場公開・テレビ放映予定作品の公開延期だ。その裏には、いまだ日本のアニメ業界全体を支配するガラパゴス体制があった。
#2 7月20日(月)配信
アニメ界の働き方大問題、全社員リモート実現の「超先進」制作会社社長に聞く
『シドニアの騎士』『空挺ドラゴンズ』などのフル3DCGアニメーション制作で知られるポリゴン・ピクチュアズ。緊急事態宣言発令とほぼ同時に社員のフルリモート化に踏み切ったが、通常時の80%の業務を遂行できたという。同社の塩田周三社長にアフターコロナにアニメ制作業界が直面する課題と、今後の在り方について聞いた。
#3 7月21日(火)配信
任天堂危うし!?ゲーム業界で新勢力勃興、進む「静かなる主役交代」
世界中が「ステイホーム」を余儀なくされる中、市場が伸びた数少ない産業であるゲーム。任天堂の「あつまれ どうぶつの森」のヒットなどが喧伝され、業界全体が“特需”を謳歌している中、水面下ではひたひたと「ゲーム業界の新勢力」が勃興する。新旧入り乱れた仁義なき戦いが始まった。
#4 7月21日(火)配信
映画館「座席50%間引き」時代の衝撃、コロナで大作依存主義へ逆戻り
座席数を通常の50%に間引いて上映を再開した映画館。コロナにより大作主義が加速し、芸術性が高くとも興行収入が見込めない作品は今後、本数が絞られていく可能性が高い。さらにはデジタル配信が進めば消費者の足は遠のく。映画館に生き残る策はあるのかを探る。
#5 7月21日(火)配信
別所哲也が語るエンタメ業界のアフターコロナ「超大作の時代は終わり」
映画・舞台・テレビで活躍する俳優、別所哲也。1999年から米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」や短編映画祭「ショーツショーツ」を主催するなど、映画興行業界にも詳しい。アフターコロナで映画やテレビ、舞台などはどうなるのか。アフターコロナのエンタメ業界の方向性を聞いた。
#6 7月22日(水)配信
「あつ森・マイクラ・フォートナイト」を知ればゲームビジネスの真髄が分かる
全世界で爆発的な人気を博す任天堂の「あつまれ どうぶつの森」、米マイクロソフト傘下のMojang ABの「マインクラフト」。そしてネクストフェイスブックの呼び声も高い中国テンセント出資企業がつくる「フォートナイト」。子どもにも人気のこれらのゲームは、それぞれ全く異なるビジネスモデルを持つ。3強ゲームを知ってゲームビジネスを学ぼう。
#7 7月22日(水)配信
動物園・水族館のコロナ危機、動物たちの行く末を左右する巨額維持費問題
動物園や水族館がほかのエンタメと違うのは、生きた動物を扱っていること。その維持には巨額の費用がかかるため、入場制限が続けば経営には大打撃となり、動物たちの行く末も心配だ。公立の動物園はすぐには廃園にはならないが住民の負担増加という圧力があるし、民営の多い水族館は母体企業の収支を圧迫する。
#8 7月23日(木)配信
スクエニ社長に聞く、ゲーム会社はUI・UX・AI技術の蓄積で社会に出て行く
「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」という往年の二枚看板ゲームで知られるスクウェア・エニックス。松田洋祐社長はアフターコロナ時代に「ゲームが成し遂げてきたこと、ゲーム作りの技術は社会に実装可能」と主張する。
#9 7月23日(木)配信
美術展が抱えた大問題、暗礁に乗り上げた大型企画展の事業モデル
日本人は美術展覧会が大好きだ。けん引役は、新聞社やテレビ局が主導するブロックバスターといわれる大型企画展。主だった美術館もその恩恵にあずかってきた。しかし、コロナによって大量集客を前提とする事業モデルが大きく揺らいでいる。美術館本来の姿に回帰するべきだという声も聞かれるが、その道は究めて険しい。
#10 7月23日(木)配信
行定勲監督が予言、「今後は文学映画作品がなくなる」と語る理由
「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)で知られる映画監督、行定勲。映画「劇場」は緊急事態宣言により大規模上映から規模を縮小しての公開となった。「資金がまったく回収できない」状況を打開するためインターネット同時配信に踏み切った。行定監督はコロナにより映画は変質していくという。
#11 7月24日(金)配信
劇団員「搾取」で成り立つ演劇界の末路、コロナで俳優輩出機能は壊滅的
唾がかかるほどの近い距離で息吹を感じるのが演劇の醍醐味だが、コロナにより、その良さは封じられてしまった。もともと、チケット販売ノルマなど劇団員からの搾取に近い自己犠牲の上に成り立っていた分野だけに、コロナにより壊滅的な状態を迎えそうだ。日本の名優を多数輩出してきた演劇は壊滅してしまうのか。
#12 7月24日(金)配信
宝塚ついに再開へ、「密こそ魅力」の世界にソーシャルディスタンスの試練
再開の見通しが立った宝塚歌劇団。心待ちにしていたファンも多く、再開後は連日満員御礼になるのは間違いない。とはいえ、男女の恋愛を描いた濃密な芝居と、きらびやかな衣装の出演者たちが所狭しと舞台に居並ぶ華やかなレビューが、宝塚の魅力だ。コロナ対策により距離を保った演出で、その醍醐味を感じることはできるのか。
#13 7月24日(金)配信
「少年ジャンプ+」「LINEマンガ」に見るマンガアプリ勝利の方程式
デジタルシフトが進む出版業界で、近年急成長しているマンガアプリ。コロナショックをきっかけにますます存在感を増している。一方、多数のアプリが乱立する中、競争も激しくなる。「少年ジャンプ+」と「LINEマンガ」という二つのアプリから、生き残るマンガアプリの条件を炙り出す。
#14 7月25日(土)配信
「おじさん」こそユーチューバーになるべき理由、動画配信で稼ぐ極意
動画投稿で収入を得る「ユーチューバー」。今や芸能人などからも参入者が後を絶たないが、競争激化や広告アルゴリズムの変化などにより苦境に立つ人も多い。しかし、「中年男性ユーチューバー」は少なく、狙い目だという指摘も。複数のユーチューバーにもうけ方のコツを聞いた。
#15 7月25日(土)配信
「コロナでも困らないオーケストラ」のなぜ、 オケにより明暗分かれる理由
日本に数十あるプロのオーケストラ。コロナ禍で公演中止が相次ぎ、債務超過目前で苦境に陥るオケからは悲鳴が上がる一方、実は演奏会を一切行わなくても、収支的には何とかやっていけるオケも存在する。両者の違いはどこから生まれるのか、それぞれの収益構造を徹底解剖する。
#16 7月26日(日)配信
楽天・三木谷氏ら財界の大物がオーケストラ理事長を代々務める理由
楽天の三木谷浩史会長兼社長、オリックスの宮内義彦シニア・チェアマン、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の澤田秀雄会長兼社長……。こうした財界人の大物が、国内オーケストラの理事長を務めていることをご存じだろうか。彼らがオケに対して果たす役割や、歴史的にもそうそうたる面々がオケ幹部に名を連ねてきた理由を明らかにする。
#17 7月26日(日)配信
ベートーヴェンはビジネス必須教養!生誕250周年の今こそ知りたい凄さ
日本人なら誰もが知っているといってもいいドイツの作曲家、ベートーベン。今年は生誕250周年という節目の年でもあるが、地球上で愛され続ける音楽の魅力とは何なのか?国際的に活躍するビジネスパーソンにとって身に付けるべき重要な教養の一つ、クラシック音楽の歴史とともにひもとく。
Key Visual by Noriyo Shinoda