特に東京都の感染者数が連日3桁を記録し、16日には280人を超えたことから、懸念は批判に変わり、推進側のはずである与党内にも22日からの実施を疑問視する声が上がった。結局、赤羽一嘉国土交通相は東京都発着の旅行は対象外にすると表明した。この急な措置のため、新たな混乱を生んでいる状況だ(新型コロナ感染症に対する態度は、地方に行けば過剰なほどに恐怖心に染まってしまっているようで、そうした有権者に本事業を説明しようとしても強い反発を受けるだけのようであり、与党内からも上がる疑問の声はそうした地元選挙区の事情も反映してのことだろう)。

 確かにPCR検査の結果、感染者が多く出ている地域に居住する人が、国内各地に、旅行で一時的とはいえ散らばることで、感染する機会が増えることになる可能性は否定できない。

 ただし、このキャンペーンは、もともとは新型コロナ感染症の感染の収束後の一定期間において実施するとされていたものである。つまり、実施の条件は「コロナ禍の収束」であり、現段階で「収束した」と言えるのかどうかが問題となるのだが、少なくとも数字上の感染者数は、無症状なのか軽症なのか、重篤化率はどうなのかなどは別にして、増加しているのであるから、「収束した」と言える状況ではないことは確かである。

Go Toキャンペーンが
事業者支援になっていない理由

 そもそも実施する条件が成立していないわけであり、その点から現段階で実施すべきではないというのが妥当な反対論のはずである(よって、旅行に行けば感染機会が増えてうんぬんというのは本事業というものを理解していないことになる。「反対のための反対」と言われても仕方あるまい)。

 しかし、本事業の「真の問題」は、そこではないと筆者は考える。はっきり言えば、それ以前の問題があるのである。

 それ以前の問題とは何か?結論から言えば、本事業は「真に事業者の支援にはなっていない」ということである。

 では、なぜ支援につながらないのか?