世界は
「選択の時代」に入った
――コロナ禍を経て、今後人々の音楽の楽しみ方は変わっていくのでしょうか?
変わることはあると思います。一方で、コロナ禍が落ち着くにつれて、またこれまで通りに戻っていくことも増えると思います。何を変えていいのか、何を変えるべきなのか、何は変わってはいけないのか、今、このことは音楽産業を含め、皆が考えていると思います。
例えば、いきなり「ステイホーム」の世の中となり、Zoomのミーティングが増えました。急な変化ですよね。ではこの形が永遠に続くかというと、元の対面式の会議に戻したいという人もいるはずです。でも会社の中には今後もZoomで仕事をしたいという人もいます。どちらが正しくてどちらが誤っているというわけではなく、いろいろな価値観が新たに生まれたということです。
だから私は、変えるべきものや無駄だったものはテクノロジーを利用して変えていけばいいと思うし、これまで便利だったものや、フェース・トゥ・フェースでやるべきことは、元に戻していけばいいと思う。「選択の時代」に入ったのでしょう。
――今後の音楽産業は、どうなっていくことが望ましいですか?
東日本大震災や全国各地での災害など、過去にいろいろなことがありましたが、音楽産業にとっては今回のコロナ禍が一番のターニングポイントになりました。
コロナが終息しても、今後また同じようなことがあるかもしれません。5年後にまた違うウイルスが生まれるかもしれませんし、天災が起こるかもしれません。もはや予測不能です。
しかしわれわれはやはり「リアルなライブを行っていく」という原点を見失うことは決してありません。そうした原点を踏まえつつ、今回のような不測の事態が起こったときでも、「想定外のことが起こることを想定内として動く」ための考え方、組織体、サポートの方法を構築していく必要があります。今回のコロナ禍では本当に多くのことを学ばせてもらいました。これを機にしっかりと足元を見つめ直したいと思います。
何より、コロナが落ち着かないと皆、気持ちがギスギスしたままなので、早く心から音楽を楽しめるようになってほしいですね。
――ありがとうございました。
Key Visual by Hirokazu Mori(waonica)







