洋上風力会戦 グリーンエネルギー新世紀#5
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環境破壊の悪者と名指しされていた石炭火力発電が、とうとう“退場”を迫られることになった。その裏では、これまで水と油の関係であった経済産業省と環境省が、グリーンエネルギーを拡大すべくタッグを組んでいた。特集『洋上風力会戦 グリーンエネルギー新世紀』(全6回)の#5では、経産省と環境省が“共闘”する思惑を探った。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

石炭火力排除の裏で
経産省と環境省が手を組んでいた

「非効率な石炭火力のフェードアウトや再エネの主力電源化を目指していく上で、より実効性のある新たな仕組みを導入すべく、今月中に検討を開始し取りまとめるよう、事務方に指示しました」

 7月3日、梶山弘志・経済産業相が閣議後の記者会見でこう言い放った。これは、太陽光や風力など環境に優しい「グリーンエネルギー」の拡大に向けて、政府がアクセルを全開にする証しだった。

 その2週間後、梶山氏がさらにぶち上げたのは、「『再エネ型経済社会』の創造に向けて」と称するプランだ。洋上風力発電分野の産業競争力強化を促進し、石炭火力など旧来型の大規模発電所が優遇されていた基幹送電線の利用ルールを見直すなど、まさに「グリーンエネルギーファースト」の“大方針”である。

 石炭火力発電の排除と再生可能エネルギーの推進――。政府が矢継ぎ早に政策を打ち出した7月は、エネルギー業界を大きく揺るがした激動の一カ月だった。

 激動の裏で、エネルギー政策を所管する経済産業省と、文字通り環境対策を担う環境省がタッグを組んでいた。

 経産省と環境省はこれまで、水と油のような関係だった。

 経産省にとって、経済をぶっつぶしてまで環境対策の重要性を訴えてくる“弱小官庁”の環境省は厄介な存在であり、環境省にとってみれば、環境省の4倍近い莫大な予算(エネルギー対策特別会計を含む)を握って政策を打ち出せる経産省は、鼻持ちならない存在だった。

 この「犬猿コンビ」がなぜ手を組んだのか。