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猫という動物にそれほど興味のない人の中には、「猫にまたたび」はちょっと大げさなことわざだと思っている人もいるかもしれない。この原稿で伝えたいのは、またたびはすごい、ということである。(取材・文/フリーライター武藤弘樹)

猫を魅了するまたたび
その姿に魅了される人類

 「猫に木天蓼(またたび)」ということわざがある。「非常に好きなもののたとえ。または、それを与えると効果てき面であることのたとえ」の意だが、またたびを与えられた猫が酩酊したような状態になることは広く知られていて、現代ではこのことわざが示す意味より、ことわざそのものが表している情景の方が深く浸透しているような向きもある。 
 
 猫は常時すました立ち振る舞いが特徴的な動物だが、ひとたびまたたびを与えられると豹変して、軟体動物のようにくねくね身をよじったり、瞳孔を開いてあたりを駆け回る狂騒を見せるなどする。動画なり実物なりを一度見たことがある人ならわかるであろうが、これが実に面白い。
 
 さて、筆者は猫を数匹飼ってきていて、飼い猫に適宜またたびを与えてきた。通常、ペットショップなどで売られているまたたびは粉末状のものが代表的で、その効果のほどは体感的に熟知しているつもりであったが、最近キャットニップ(西洋またたび)の鉢植えがその種のショップに置かれるようになってきて、これはぜひとも試してみたく思った。

 いつもは乾いた粉末であったが、キャットニップの鉢植えに備わるはみずみずしい葉っぱである。詳述するが、これは我が猫に壮絶な効果を発揮することが期待された。本稿は飼い猫にキャットニップの鉢植えを与えた際のレポートである。お盆の時期、こんな原稿が1本ぐらいあってもいいではないか。

高まるキャットニップへの期待
うちの猫はどうなってくれるのか

 さて、現在飼っている我が猫は無類の植物好きである。猫草を見せると狂乱し、買い物袋から長ネギが出ていると駆け寄ってまとわりつくので、長ネギを買って帰った日はそれを冷蔵庫にしまうために猫をいかによけるかという駆け引きがある。猫にとって毒となる植物は多く、特に花の類は猛毒に属するものが多いため我が家では飾る習慣がなく、それゆえに我が猫の植物欲もたまりにたまっていると推察される。