DCAPが向いている3領域

(1)未経験・未知の領域
 これらの領域に対しては、サッカーの例のように、まずやってみることが理解の最短ルートだ。

(2)既知だが不確実性の大きい領域
 経験したことのあるものでも、置かれた環境や顧客の特性によって、まったく違った結果になることがある。例えば、SNS登場前のマーケティングに慣れ親しんだ人が、SNSマーケティングに初めて挑戦するような場合だ。不確実性の高い領域にはDCAPが向いている。

(3)途中で要件が変化していく領域
 建築物であれば、作り始める前に設計が確定するが、ソフトウェア開発では、作りながら望ましいあり方を模索し、あえて動的に設計を変更させていくことがある。それに伴い、内部の設計もどんどん変わっていく。こうした領域にはDCAPが向いている。

DCAPが不向きな3領域

(1)小さなミスも許されない領域
 DCAPは、1つのミスが命とりになる領域には向かない。事故が起きないよう万全を期して精緻な計画を立てて臨むべきだ。

(2)関係者が多く、情報共有こそが肝である領域
 プロジェクトメンバーが何1000人といて、精緻な計画書がないと意思疎通が困難な場合もDCAPは向いていない。もっとも、チームとタスクを細かく分割すれば検討できるだろう。

(3)要件が途中で変わることが許されない領域
 大規模なプロジェクトで、途中で予定変更したらコストが膨大になるようなケースも向いていない。安定感のあるPDCAで進めるほうがいいだろう。

 これからとり組むプロジェクトが慣れ親しんだものであれば、PDCAが機能することも多いだろう。だが、未知の領域に向き合うときは、思いきってDCAPのアプローチを検討してみよう。