一方で、先に述べたように1年後の総選挙を控え、これまでのように長期安定政権の求心力は期待できないため、誰が次期首相になっても「つなぎの首相」という印象を与えかねない。仮に安倍政権と同じことをやったとしても、今までのようにはうまくいかないだろう。

 だから、同じことをトレースするように反復するだけでは、政権運営は上手くいかない。むしろ、これまでと変わらない安定性を確保するためには、環境の変化に応じて、柔軟に対応を変化させることが肝要である。

 変化に対応することと、自分が変化をつくり出してしまうことは別の話である。必要なのは、一見矛盾するような、変化への対応と変化をしていないことのアピールを、両立させることだ。変化に対応できる柔軟性を持ちながら、政権交代において経済や社会に影響を与えないよう、持続性を示す。何を変え、何を変えないか、難しい舵取りが次の政権には必要になるだろう。

「連続性」と「柔軟性」を
国内外に示し続けられるか

 安倍政権との連続性を示すことは、日本の社会と経済の連続性、安定性を示すために必要なことだ。一方で、安倍政権と同じように強引な政権運営を行うことは無理だろうし、コロナの収束が見えない中、予想外・想定外の事態はこれからも起こるはずなので、持続性と共に変化に対する柔軟性も持たないといけない。

 そんなリーダーが、これからの日本には必要なのである。これまで「後継首相」として名前が挙がってきた人々の中に、そうした資質を持つ人はいるだろうか。

(早稲田大学大学院経営管理研究科教授 長内 厚)