【コツその2】「観点」を決める

 岩下氏は、「低学年の作文指導は、したことや見たことを『時系列』で書かせる方法が一般的だが、『観点』を決めて書かせたら、1年生でもスラスラ書けた」と指摘しています。

 たとえば、「校内探検」がテーマとすると、「おもしろかった」という観点から2つ選ばせて書かせると、子どもたちにとって書きやすかったそうです。

・「はじめ」:がっこうをたんけんしました。
・「なか1」:いちばんおもしろかったのは〇〇です。
・「なか2」:つぎにおもしろかったのは××です。
・「まとめ」:がっこうたんけんはおもしろかったです。

 渡辺教授の調査でも、日本の子どもの作文は「~して、~して」というように、出来事を起こった順番に書く場合が93%と圧倒的に多かったのに対し、アメリカの子どもたちは3分の1以上が、最初に全体をまとめる文を書いてから具体的な事例に触れ、ふたたび最後に全体をまとめるというサンドイッチ型でした。

 こうした作文の「型」を知っておくことは、論理的思考力のベースにもなります。これは将来グローバルな場面でもとても役に立ちます。英語のライティングはもちろん、スピーキングやプレゼンテーションでもこの「型」を応用できます。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』からの抜粋です)

参考文献
渡辺雅子『納得の構造 日米初等教育に見る思考表現のスタイル』(東洋館出版社)
岩下修『岩下修の国語授業 書けない子をゼロにする作文指導の型と技』(明治図書出版)