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コロナ禍でも「介護保険サービスは続けるべき」
厚労省が地方自治体に要請

 新型コロナウイルス感染症の流行で外出自粛が求められている中、厚労省は介護保険サービスでの外出には「不当な制限」は設けないように全国の自治体に伝えた。日常生活の維持や心身の向上を目指す高齢者には、介護保険サービスは必要との判断からだ。

 高齢者の住まいとして急拡大している住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の事業者の中には、入居者に在宅サービスの利用を制限し、外出を妨げているケースがある。

 そうした動きに対して厚労省は9月4日、「有料老人ホーム等における入居者の 医療・介護サービス等の利用について」とする地方自治体向け通知で、「新型コロナウイルス感染の懸念を理由に介護保険サービスの利用を制限することは不適切である」と指摘した。この通知では、続けて「(介護保険サービスなどを)不当に制限することのないよう、改めて管内の有料老人ホーム等に対して周知をお願いします」と記し、管轄の自治体に指導を要請。記された「有料老人ホーム等」の「等」には、サ高住を含む。

 介護保険サービスという表現だが、通知の発出元の厚労省老健局高齢者支援課では「主な対象は通所系の通所介護(デイサービス)と通所リハ(デイケア)」と明らかにしている。

自粛一辺倒から政策転換した
厚労省の現状認識

 この通知は、コロナ禍への政府の対策として大いに注目される。感染者は減少しつつあるが、高齢者が感染すると重症化しやすいと言われる中で、介護保険制度の利用は「続けるべきである」という判断を下したからだ。自粛、締め付け一辺倒のコロナ対策からの重要な政策転換のひとつともいえるだろう。

 まず、この通知を発することになった厚労省の現状認識についてみてみよう。