ウーバーはProduct Future Market Fitを徹底して考え、
プレゼン資料に盛り込んだ

 ウーバーの2008年の投資家向けのプレゼン資料を見ると驚愕せざるを得ない(下図表)。

 図表右下のDemand Forecasting(需要予測)を見てほしい。乗客の多い場所は値上げするなど需要と供給のバランス状況に合わせて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」の土台となる需要予測の記載がある(現在ウーバーが誇るコアのソリューションになっている)。

 2008年当時はディープラーニングや機械学習などが注目される前の段階だが、こういった技術にレバレッジをかけることにより「より優れたユーザーエクスペリエンス(顧客体験)が提供できる」というロードマップが示されてるのだ。

 当時まだ、スマホにGPS機能が実装されていないときに、「GPSされた状態の未来に最適化する」ということが左下のFuture Optimizations(最適化)の項目に書いてある。

 ウーバーは2019年に上場した。現在の時価総額は500億ドル(約5兆円)を超えている。

 ウーバーは2008年に立ち上がったが、フィットさせようとした市場は、その先の将来だと読み解ける(おそらくスマホが浸透した2013年以降)。

 まさにウーバーはProduct Future Market Fitを徹底して考え、プレゼン資料に盛り込んだといえる。