貨幣価値評価の公準(決算書は金額で表わす)

林教授 2つ目は貨幣価値評価の公準だ。

カノン 何でもお金に置き換えるってことですよね。

林教授 そう。時間とか、面積とか、重量とかは対象にしない。

カノン ちょっとわかりません。何か、特別な意味があるのですか?

林教授 例えば、自動車販売会社が1台200万円の新車を100台売ったとしよう。この場合の売上高は新車100台ではなく売上高2億円だ。費用も同じだね。リッター150円のガソリンを1000L使った場合、それをお金に置き換えて燃料費15万円として帳簿に記入する。ここで貨幣価値と言っているのは、日本なら円、アメリカならドルで決算書を作成するという意味だ。わかったかね。

カノン はい。完璧です。

林教授 完璧というにはまだ早いね。もう1つ重要な意味がある。それは貨幣価値に置き換えることができないものは、複式簿記では取り扱わないということだ。例えば、従業員の能力、会社が保有する知的財産、世間での評判などは会社を判断する上で重要な情報だが、貨幣価値で表せないから複式簿記では取り扱わない。だから決算書には載らない。

カノン すべての商売を貨幣価値で表しなさいというだけで、いろいろと制約が出てくるんですね。

林教授 いいことを言うね。公準は前提であると同時に、制約でもあるんだよ。