継続企業の公準(会社は永遠に潰れない)
林教授 3つ目は継続企業の公準だ。
カノン 継続企業って、会社がずっと続くという意味ですか?
林教授 そう、永遠に潰れないという前提だ。だが、終わりがなければ会社の業績は永遠に確定しない。そこで、期間を1年で区切って業績を計算するんだ。これを決算という。
カノン なぜ1年なのですか。2年でも3年でもいいと思いますけど。
林教授 その理由はボクにはわからない。地球の公転期間が1年だからかもしれないね。それに国も自治体も1年がワンサイクルだ。学校も1年で学年が変わる。たまには留年する学生もいるけどね。そして、会社も1年単位で決算して、業績を株主に報告し、国に税金を納める。つまり、1年単位をワンサイクルとすれば全てが噛み合って都合がいい。そんなところじゃないかな。
カノン 深く考えなくてもいいってことですか?
林教授 会計では1年という期間の区切りが大切なんだ。これは継続企業の公準から導き出された前提だから、深く考えずそういうものだと覚えておけばいい。
公認会計士、税理士
明治大学専門職大学院 会計専門職研究科 特任教授
LEC会計大学院 客員教授
1974年中央大学商学部会計学科卒。同年公認会計士二次試験合格。外資系会計事務所、大手監査法人を経て1987年独立。 以後、30年以上にわたり、国内外200社以上の企業に対して、管理会計システムの設計導入コンサルティング等を実施。2006年、LEC会計大学院 教授。2015年明治大学専門職大学院 会計専門職研究科 特任教授に就任。著書に、『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?』『コハダは大トロより、なぜ儲かるのか?』『新版わかる! 管理会計』(以上、ダイヤモンド社)、『ドラッカーと会計の話をしよう』(KADOKAWA/中経出版)、『ドラッカーと生産性の話をしよう』(KADOKAWA)、『正しい家計管理』(WAVE出版)などがある。