結婚の後悔(6)
「子どもの教育方針について意見が合わなかった」
子育ては、結婚における第2フェーズとなります。出産が結婚のもう一つのターニングポイントになることは、先人の後悔からも読み取れます。
今までの夫婦間の問題に、さらに育児が加わることで、これまでのミゾがさらに開いてしまったり、逆に絆がより深まるという両極端の結果をもたらす分岐点なのです。
育児から子育てへと移り変わる中で、もっとも問題となるのが、大前提としての教育方針の違いです。これは、実は子どもの「叱り方」にもっとも象徴的に表れるのです。叱り方についてよくある悩みが、夫と妻の間で叱り方の基準が違っているということです。
例えば、妻は言うことを聞かない子どもを必死に叱るけど、夫は「子どもなんだから、そんなにガミガミ言わなくても……」という態度を取るケースです。こういうとき、子どもはたいてい「私は悪くない、悪いのはママだ」という反応になります。
叱っても叱っても、子どもがまったく言うことを聞かないと悩む人がいますが、その場合は、高確率で夫婦の叱り方が違っているのだと専門家から聞いたことがあります。親の意見が違う場合は当然、子どもは自分にとって有利な意見を聞くようになるからです。
そして、妻からすれば、夫は子育てに参加していないと同じに思え、自分ばかりが悪者になっていく精神的なつらさもあって、夫婦ゲンカに発展していきます。
また、逆のケースも頻繁に起こります。夫が必死に子どもを叱っても、妻からその意見を否定され侮辱されるようなことを言われると、子どもは父の威厳を疑問視し、父の意見を聞かなくなるようです。こちらも、子どもは親の真似をしますから、母親と父親の関係を無意識に理解しているのは当然かもしれません。