最難関の義理父母との付き合いも
夫婦マネジメントで乗り越える

 どうしてもうまくいかない相手の両親との付き合いに、対処療法的な解決策は見つかりません。毎日、義理母から連絡のくるTさんは、子どもの写真を毎日送るようにしていたといいますし、Wさんもお風呂につかるときは、できるだけ垢に気をつけたり、嫌みにならない程度に義理母との接点をなくしていたと言います。

 しかし、どうしてもギスギスした関係は解消されませんでしたし、逆にどんどん精神的にはまいっていき、鬱状態になっていったそうです。

 先人たちのあの手この手の解消法が惨敗に終わるのを見聞きしてきたなかで、この状態を根本的に解決する方法は二つしかないと思います。

 それは、一つは「別居」することです。同居している人でどうしてもうまく行かない場合は、物理的に距離を置くしかありません。自分のモノの見方を変えるとか、相手の意見を極力受け入れるといったことを必死に実践している人でも、結果的にうまくいかないことを考えれば、やはり最後は強引に解消するしかないのです。

 もう一つは、妻であれば夫を、夫であれば妻を味方にするということです。結婚によって、誰よりも相手を優先するという社会契約をしているのですが、本来ならパートナーは誰よりも自分の味方でなければなりません。

 どうしても親の言動に納得がいかないときは、パートナーにその理解を促し、しっかりと言ってもらうしか解決策はありません。それができないから苦しんでいるんだという声も聞こえてきそうですが、相手の親を変えることは自分では絶対にできないのです。

 パートナーに自分の苦痛を丁寧に話し、どちらが正しいかではなく、自分に味方をしてもらうように説得することしか、残念ながら先人たちも解決できていません。

 相手の親とうまくいっている夫婦というのは、実は実家で相手のことを褒める人が多いというのも共通しています。いかに自分の旦那は立派か、いかに自分の妻は素晴らしいかを何度も自分の親にアピールしているのです。

 一方で、うまくいかない夫婦は、親に相手の不満を言っている人です。そうすることで、親も相手に対して攻撃的になってくるのです。義理の親とうまくいくかいかないかという問題は、相性も多少関係はしますが、それ以上にパートナーが結婚をどうマネジメントしているかということに大きく左右されてもいくのです。