人生を変え、経営を変える
逆転劇を起こすための本
──「しない」選択をすることに、不安はありませんでしたか?
土屋:「時間に追われる」働き方を捨てたら、かえっていい結果が出たんです。今までの自分は何だったんだろう? と思いましたね。
でも、今考えると、自分でやったほうが早いからと人任せにせず、全部自分でやろうとしていたからこそ、人がついてこなかったと思うんです。
今は、重要なことは自分でやらず、人に任せる。
私は方針を出して、チェックするだけにしています。
商社時代は秒単位で生きていたのですが、今は「年単位」で生きているので、催促は意地でもしません。絶対しません(笑)。
でも、「いつでもいいよ」「暇なときにやってください」と社員に伝えても、遅れて困ったことは一度もないですね。そういうと、意外と早めにできるものなんです。
──今回の書籍でも「しない経営」や「しない仕事術」についてロジカルに書かれていて、目からウロコの連続でした。会社経営だけでなく、ビジネスパーソンのセルフマネジメントにも取り入れられるメソッドだと思います。
土屋:ある意味、「人生の一発逆転劇」の本だと思います。
私は総合商社で30年間、ゼロから事業を複数立ち上げ、実績を出してきたつもりでした。ただ、私個人の資質や体育会的な頑張りに依存する属人的な事業は、引き継ぎにくく、まわりからは評価されなかったんです。
ワークマンでは過去を全否定して、商社時代とは「真逆」の取り組みをしました。
「機を見て何でもやる経営」から「しない経営」「絶対ブレない経営」に転換した結果、思いもよらなかった成果が生まれた。
本書は人生を変え、経営を変える逆転劇を起こすための本だと思います。
だから、「自分を変えたい人」「会社を変えたい人」に読んでもらいたいです。
そう簡単にはいかなくとも、少なくても薄明かりくらいは見えるはず。
きれいごとの成功談でなく、60歳まで低空飛行を続けた人間が、これまでと真逆のことをやって道なき道を切り拓いた稀有な事例を徹底的に掘り下げました。
会社を変えるのは簡単ではなく、まずは自分が少しずつ変わる必要があります。
経営者が変われば、多くの社員が変わり、会社経営も必ず変わります。
数は力なので、自分を変えたい多くの人に読んでほしい。少しは元気が出てくるはずです。
ps.「しない経営」の極意についてはこちらのサイトでも掲載していますので、ぜひご覧ください。