非常に難しい質問です。日本は中国と関係を悪くしたいとは思っていません。しかし、同時に日本はアメリカとの関係を再確認する必要があります。TPPは日本にとって賢い選択です。というのも、もし米中間の関係が悪化すれば、TPPが決定的に重要になってくるからです。日本はアメリカと中国の間でできる限り、フレキシブルでありたいと思っています。

 ポイントは、そう振る舞うことがさらに難しくなる点です。つまり選択を迫られたときに、アメリカか中国かのどちらかを選択しなければなりませんが、日本がアメリカを選択することは明白です。他に選択はありません。

 これは、私がアメリカ人だから言っているのではありません。軍事的な意味でそう言っています。中国が不安定だからそう言っているのです。これからの20年、30年、40年を考えると、中国は、13億人の人口の経済の中で、尋常ではない政治上、経済上の変遷をしなければなりません。

 選択しない方が日本にとってはいいことですが、アメリカと中国のどちらかを選択しなくてはならない場合、はるかに危険な選択は中国です。歴史的に見ても、国家安全保障の視点から見ても、政治的に見ても問題が多すぎます。中国が経済的に大きな市場であっても、その理由だけで日本は中国を選択することはできません。

――我々はアメリカ主導の環境の中で、グローバリゼーションが進化するのを見てきました。Gゼロ環境では、グローバリゼーションはどうなるのでしょうか。グローバリゼーションは多くの多国籍企業に恩恵を与えましたが、すでに勝者と敗者を出しています。そうした勝者、敗者はどうなるのでしょうか。

 グローバリゼーションは消えませんが、もっと分裂したものになります。グローバリゼーション推進派の連携が見られるでしょう。地理的に連携する場合もあれば、テーマ的に連携する場合もあるでしょう。

 過去50年間に我々が見てきたグローバリゼーションは、世界が一つになるようなものでした。ひとつの原理、ひとつの共通した市場でした。しかし、たとえば今のインターネットを見ると、ひとつのインターネットではありません。