「組織人としての出世ゲーム」で
評価されるポイント

 このゲーム2では有力者は、人の評価を以下のような項目に基づいて次のような順序で行う。

(1)かわいいか、かわいくないか
(2)自分にとって役に立つか、立たないか
(3)組織にとって役に立つか、立たないか

(1)かわいいか、かわいくないか
自分にしっぽを振ってくれているか、尊敬してくれているかどうか、純粋にかわいげがあるか、などがここでの評価基準である。

(2)自分にとって役に立つか、立たないか
有力者が重要と考えている目標に対して、その人が貢献してくれるかどうかである。この目標がライバルを蹴落とすということであれば、ライバルのミスを見つけてくることなど、たとえ会社への貢献としての価値はゼロでも、この評価項目でのポイントは高くなる。

(3)組織にとって役に立つか、立たないか
最後に出てくるのが、組織全体にとっての貢献である。自分の役に立たずとも会社全体の発展に貢献してくれるのであれば(消極的に)高い評価を与えることになる。

 これらが総合されてゲームの勝者が決まる。配点でみれば(1)(2)が圧倒的で(3)の比率はごく小さい。

ゲーム1での成功確率は
極めて低い

 さて、ここで押さえておきたいのは、ゲーム1「仕事人としての出世ゲーム」の“実際の参加者”は、極めて限られているということである。つまり、自分がそのつもりだったとしても、ほとんどの人は周囲からゲーム1の参加者として認識されていない。

 先述の通り、ビジネスの成功者として社会で注目されるのは、ゲーム1の勝者であるから、優秀な人であればあるほどゲーム1の競技部門へ参戦しようとする。もちろん、会社の人事施策としても表向きはゲーム1(とくにプロマネ部門)が重要で、こちらでの勝者を評価するという趣旨のことが書いてあるはずだ(というより、わざわざゲーム2が重要であることを記述している会社はむしろないであろう)。