これを知っておけば大丈夫!
銀行目線の決算書・試算表のチェックポイント
最後に銀行目線の決算書・試算表等のチェックポイントをまとめておきます。ここでは、こまかな点は書き切れませんから、あくまで考え方を紹介するに留めます。「決算だけ」の税理士に融資を前提にした決算書等を作成してもらう場合に、「こうした処理はできないか?」と相談してみてください。
★良い「貸借対照表(B/S)」のルール
貸借対照表は右側に「お金の集め方(負債の部、純資産の部)」、左側に「そのお金の持ち方(資産の部)」を示しています。
右側の「負債の部」「純資産の部」の各勘定科目は上から順に「返済期日が早い」ものが並んでいて、返済期日が早いお金が少ないほうが経営は安定しているとみなされます。つまり、上の勘定科目の金額は、できるだけ下の勘定科目に付け替えたほうが良いことになります。
逆に左側の「資産の部」は上から順に「現金化しやすい」ものが並んでいます。すぐ現金にできるものの多いほうが安心できるため、下の勘定科目の金額は、できるだけ上の勘定科目に付け替えたほうが良いことになります。
★良い「損益計算書(P/L)」のルール
損益計算書には、上から順に「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期利益」「当期利益」の5つの利益が記載されていますが、金融機関が着目するのは、「営業利益」と「経常利益」です。経常利益が黒字でも、営業利益が赤字であれば、「本業不振」とみなされます。
売上総利益は「売上-売上原価」、営業利益は「売上総利益-販売費及び一般管理費」で求められますから、営業利益の数字を良くするには、売上にできるものは極力、売上にしたほうが良いことになります。たとえば、会社で不動産を所有し、家賃収入がある場合、定款の会社目的に「不動産貸付」とあれば、「雑収入」ではなく、どうどうと本業による「売上」といえます。
★融資をしたくない会社のルール
(1)現金残高、仮払金の未精算、貸付金が多い
→たとえば、現金残高が500万円あるのに、預金残高は10万円。そして融資を受けたいというのは明らかに不自然です。同様に長期にわたる多大な仮払金や貸付金は精算や戻す意思のないお金とみなされます。
(2)売掛残高が多い
→回収できない不良債権が含まれていないか疑われます。
(3)商品在庫が多い
→在庫を水増しし、利益を増やしている可能性を疑われます。
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