性病,プライベートゾーン写真はイメージです Photo:PIXTA

性病は「プライベートゾーン」と呼ばれる「他人に見せるのが恥ずかしい部分」に症状が出ることも多いため、ついつい診断や治療も躊躇しがちだ。折しも、11月25日から12月1日の「世界エイズデー」までの1週間は「性の健康週間」。性病だけでなく、プライベートゾーンに異変が起きる心配な病気について、プライベートケアクリニック東京院長の尾上泰彦医師に取材した。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

性感染症の現場では
PCRは10年以上前からお馴染み

「性感染症なんて自分には関係ない」と思い込んでいる人は少なくないだろう。だが、半世紀にわたって性感染症にかかわり、100万人近い患者を診てきた『プライベートケアクリニック東京』の尾上泰彦院長は注意を呼び掛ける。

 世界ではこの30年余りの間に多数の新興感染症が見つかっており、簡単には治療できない性感染症も増えている。そうした感染症の中には、(1)無症状であるものも多く、(2)自覚しない、(3)症状が軽く気が付かない、(4)自覚症状があっても正しい治療に結びつかない等の理由で、いつの間にか他の人に感染を広げてしまうことがあるという。また妊娠中の女性が感染すれば、(5)胎児や新生児への感染も懸念され、一度感染するとなかなか駆除されないまま体のなかに潜み続け、(6)免疫が低下すると症状が出てきたり、(7)エイズのように時間がたってから発症するケースも珍しくない。