自分の「好き」を100%信じ切ること

プロデューサーが明かす、こんまりのたった一つの強みとは?Photo by Ogata

――川原さんから見た、麻理恵さんの一番の強みは何でしょうか。

川原:普通の人と圧倒的に違う能力を一つ挙げるなら、「自分が好きだと思うことを信じ切る強さ」です。片づけもそうだし、僕に対してもそう。心が「ときめくか、ときめかないか」で取捨選択をして、自分が絶対に間違っていないと思うことは100%信じ切るし、僕と一緒にやると決めたら100%信じ切る。ただし、間口は狭いです。人の好き嫌いも、興味があるかないかも、はっきりしていますから。

 だから、何でもなんとなく決めて、自信がなくてもズルズル続けてやめられない人や、好きも嫌いもゴチャ混ぜの人たちとは、生き方も働き方も全く違います。麻理恵さんは好きなものは絶対に手放さない代わりに、嫌なことはすべて手放して、一切妥協はしない。まさに一点突破型の人です。

――「自分が良いと思うものは絶対に良い!」と確信を持てるほど、自分に自信があるんですね。

川原:その自信は、片づけを通して培ってきたもので、だからこそ「今まで自分が決めたことは間違っていなかった」と言い切れる。本当にその通りなので、僕にはとても真似できません。何を選んで何を手放すか、子どもの頃から常に意思決定をし続けているから、その判断力と信じ切る能力がずば抜けて高いのです。

 僕のようなプロデューサーは、上手くいったらこうなる、悪いとこうなるだろう、といろいろなパターンの可能性を考えます。でも、麻理恵さんは上手くいくことしか考えていない。仮に自分が目指していた結果がすぐに出なくても、失敗を、成功に至るまでの途中経過であると考えられる。

 実際、彼女が絶対にこうなると信じたことは、大抵、後から実現するので、そのタイミングがいつになるかというだけの話なんです。

――すぐに結果を求めて、「思い通りにいかなかったからあきらめよう」とはならないわけですね。実現できるまで10回の挑戦が必要だとして、2~3回失敗しただけであきらめる人もいますが、麻理恵さんは6~7回失敗しても、いつかは実現できるだろうと考えられる。

川原:もちろん、結果が早く出るに越したことはありません。でも、結果だけに執着せず、できなかったことで自分を責めたりもしません。それよりも、好きなことややりたいことをやって、常に自分が「ときめいている」ことのほうが重要です。

 時には必要なものまで手放して反省することもありますが、それでも後悔はしていない。手放して、致命傷になるほど困ったこともありません。だから、まずは恐れずに、いらないものをすべて手放す。ときめかなかった過去を気持ち良く終わらせる。片づけによって手放すことを繰り返すと、自然と自分らしく輝けるようになり、人生が変わっていくのです。

プロデューサーが明かす、こんまりのたった一つの強みとは?