NTTグループの主要5社(NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTデータ)には、固定電話が強かった時代から続いている「序列」が存在する。だが、澤田純・NTT社長が大胆なグループ再編に着手したことで、グループ企業序列が崩れる激変期に差しかかっている。主要各社はいかにして存在意義を発揮していくのか。特集『デジタル貧国の覇者 NTT』(全18回)の#11では、グループの長男坊であるNTT東の井上福造社長、次男坊であるNTT西の小林充佳社長に「自社の存在意義」について聞いた。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
【井上福造・NTT東日本社長インタビュー】
斜陽産業から反転へ
地方ICT商社になる!
NTTによるNTTドコモの完全子会社化の背景にあるのは、今のNTTグループの在り方で(次世代通信「5G」を巡る世界的な競争に)対応できるのかという危機感でしょう。
ただし、NTT東日本にとっては、ドコモだけがお客さんではない。通信事業に参入した楽天を含めて、4キャリアと対等に付き合う立場です。
NTTによる完全子会社化でドコモが強くなれば、キャリア間の競争が活性化しますから、NTT東へのニーズは高まると思います。