慰安婦支援団体が
問題解決を妨害

 文在寅政権になってから、元慰安婦を取り巻く支援団体である、「正義連」と「ナヌムの家」の理事長等による寄付金の着服などの不正行為が次々と明らかになった。

 朴槿恵政権がすべての元慰安婦に接触し、日韓の合意を説明するまで、韓国政府がこの問題で日韓交渉が行われるたびに相談して来たのは、挺身隊問題対策協議会(「挺対共」改称して今は「正義連」)やナヌムの家の指導部だけである。特に挺対協は毎週水曜日に日本大使館前でデモを行ってきたことから、慰安婦の代表のような地位を築き、誰もその主張には反対できない状況であった。

 しかし、挺対協とナヌムの家は、慰安婦のために集めた寄付金や政府の補助金のごく一部しか元慰安婦のためには使わず、その多くを着服し、横領してきた。

 日本側が「アジア女性基金」を設立し、元慰安婦への人道的措置を進めていた当時、7人の元韓国人慰安婦がアジア女性基金の見舞金を受け取ると、挺対協のトップ(当時)は「アジア女性基金からお金をもらう人は、自ら進んで出かけた娼婦であることを認めると同様だ」などと侮辱し、他の元慰安婦には受け取りを拒否させた。そして受け取らなかった人には韓国政府からの補償金を与えた。

 ところが、その後判明したことは、当初アジア女性基金から見舞金を受け取らなかった元慰安婦のうち54人が、最終的には同基金から見舞金を受け取ったことである。もしも挺対協が妨害しなければ、より多くの元慰安婦が見舞金を受け取り、この問題はそこで解決していたであろう。

 しかし、挺対協、ナヌムの家の活動家はそれを望まなかった。それが元慰安婦のためなのか、それとも、問題が解決すればそれ以上寄付金を集められなくなるためなのか、その意図は明確ではない。だが、少なくとも、寄付金着服などの不正を見る限り、後者のように思われる。

 問題は、これらの団体が元慰安婦から告発されても、文在寅政権は「慰安婦問題の大義」を失わせてはいけないとかばい、正義連の前理事長はいまだに国会議員を続けていることである。最近、コロナが再度感染拡大しているにもかかわらず、元慰安婦の誕生会を口実にワインパーティを開いてマスコミの非難を受けたばかりであり、これまでの行為に対する反省は全くない。

 8日に判決が出たのはナヌムの家の元慰安婦の訴訟である。正義連の元慰安婦の訴訟は13日に出されるようだ。元慰安婦たちはこれらの慰安婦支援団体にいいように使われてきた。その団体の実体が明らかになった今、韓国政府はこれらの団体とたもとを分かち、慰安婦に寄り添って行動を取るべきである。

 慰安婦支援団体は、日本と争い続けることが、寄付金集めにプラスになると計算しているのだろう。今回慰安婦が起こした訴訟も、日本政府が応じなければそれでいいのだろう。さらなる闘争の口実ができるというものである。ただ、そこには何ら勝算がない。

 韓国政府はいたずらに高齢の元慰安婦に空虚な期待を与えるのではなく、慰安婦支援団体の政治活動から元慰安婦を引き取り、安らかな老後が送れるよう支援していくことが本来のあるべき姿ではないのか。それが文在寅氏の言う真の「被害者中心主義」であろう。